ダイビング器材(機材)は、自分にあったものを選ぶことが大切
スキューバダイビングを始めるにあたってまず必要な器材とは
スキューバダイビングには沢山の装備が必要となります。
様々な種類、デザインの器材があり、初めての方は迷われて当然だと思いますが、まずは安全性を優先し、自分に合っている器材を揃えていきましょう。
ご自分の命の安全最優先で順位をつけるのであれば、ダイブコンピューター、レギュレーターセット、BCジャケットの三つを揃えて頂けるといいと思います。
<ダイブコンピューター(通称:ダイコン)>
ダイブコンピューターとは、ダイビング中にダイバーが必要な情報を得るための機材です。現在は時計型のものが多く、携帯に便利になっています。
ダイブコンピューターの大事な役割は、減圧症(潜水病)にならないように必要な情報を教えてくれることです。
現在の水深や潜水時間、水温、最大水深、浮上速度時間など、今潜っているダイビングのデータをリアルタイムで教えてくれます。
また、減圧不要限界も知ることができます。減圧不要限界をNDLと言い、その水深に潜水が可能な限界時間、つまり安全に潜れる時間を知ることができるということです。
ダイビング中は常に深度と減圧不要限界(NDL)に注意して、余裕を持ってダイビンをし、安全停止の3分間のカウントを確認、浮上中は浮上スピードに注意しながら浮上するようにしてください。
ほとんどのダイブコンピューターは水中のなかで操作する必要がなく、上記のデータを全てリアルタイムで教えてくれます。
ただし、直接体内の窒素量を測っているわけではなく、あくまでも標準的な人体モデルを前提として理論上の数値を計算しているだけなので、個人差や日々の体調までは考慮してくれません。
そういった意味では、 あくまでも安全の目安としての数値を表示してくれるに過ぎませんが、安全にダイビングを楽しむためには無くてはならない機材の1つです。
<レギュレーターセット>
レギュレーターセットは呼吸源となるものです。
レギュレーターとは、タンク内の高圧空気を呼吸に適した圧力(周囲圧)まで減圧する装置のことです。
メインでご自分の呼吸源と、バディに非常時に貸してあげる予備の呼吸源とがあります。また、空気の残りのゲージを知る残圧計とセットになったものをレギュレーターセットと言います。
レギュレーターセットは、ご自分の命を預けるものになりますので、レンタルするよりもご自分に合ったものを購入されることをお勧めします。
<BCジャケット>
BCとはBuoyancy Compensator Devicesの略で浮力をコントロールする器材です。
BC、BCDジャケットに関しては浮力調整装置なので、ダイビングをされてない方がイメージすると、ライフジャケットや救命胴衣のようなものと考えていただければと思います。
水中で自分の意志で空気を吸排気できるものです。
ダイビングは水中で浮力をとらないといけないので、ただどんどん泳げばいいというだけでなく、水中で身体が浮きも沈みもしない状態(中性浮力)を維持しなればなりません。ダイビングでは中性浮力を維持する技術を身に着けることが一番大切です。
浮力調整装置は、水中では浮力コントロールに使用し、水面では移動や休息のための浮力確保に使用します。
またBCジャケットは、ご自分の体に合ったものを選ぶことが重要です。
BCジャケットのフィット感が悪いとタンクが重く感じられるだけでなく、体をひねった時などに身体とのずれが生じてバランスが悪くなって潜りにくくなります。
自分の身体にジャストフィットのBCジャケットを選べば、陸上でも水中でも安定感をキープできます。
BCジャケットには様々な種類があります。大きく分けると三つのタイプに分かれています。
① ショルダーバックルタイプ(フロントアジャスタブルタイプ)
最も選ばれている、ウェットスーツとドライスーツも兼用OKのタイプ
肩口に付いているバックルで、胸のベルトの長さを調節して身体にフィットさせるタイプのBCで、最も流通しているタイプのBCです。
給気すると背中から脇の下に空気が入る仕組みになっており、ベルトで自分の身体のサイズに調整ができるので、身体への高いフィット感が得られます。
このタイプのBCの特徴としては、サイズの調整の融通がききやすいので、ウェットスーツとドライスーツのどちらにもこれ一つで兼用できるという利点が挙げられます。
また、バックルを外すことにより、BCの脱着が簡単に行えるのも良いところです。
② ジャケットタイプ(ベストタイプ)
慣れるまで着用が難しいが、フィット感は1番で安定した浮力を得られるタイプ
ベストのタイプのBCなので、他のBCと比べると着用後のサイズの融通がききません。そのため最初に購入する際のサイズの選択が非常に重要となってきます。
自分にピッタリのサイズを選べば、フィット感は3種類の中で一番高いというメリットがあります。
このジャケットタイプのBCは、BC全体に空気が入る構造になっており、エアの吸排気がしやすく、安定した大きな浮力を得られるのも利点です。
また、身体へのフィット感も非常に高いため、水中でも水面でもかなりバランスが取りやすくなっており、慣れるととても使いやすいBCです。
デメリットは、上記の通りサイズの融通がまったくきかないので、ウェットスーツとドライスーツでの兼用は厳しく、着る時も慣れるまでは少し着づらいかもしれません。
背中でタンクがゴロゴロ動くのが気になる方や、安定感を第一に求める方にはお勧めです。
ただ、他のタイプのBCと比べるとネックラインが小さいので、着用時に腕を通しにくく、慣れるまでは着用が難しいのが難点です。
③ バックフロートタイプ
圧迫感が少なく、水中撮影をされる方にお勧め
口のバックルで、胸のベルトの長さが調節できるタイプのBCで、背中のフロート部分に空気が給気されるので、身体の圧迫感が少ないのが特徴です。
また、他のBCと違って脇部分が膨張しない作りになっているので、水中撮影をする方に向いています。
ただ、浮力が背中に集中するので、水平の姿勢のバランスは取りやすいのですが、立ち姿勢は取りにくくなっています。
水面でもバランスが取りにくく、前のめりの姿勢になりやすいので、慣れるまで少し戸惑うかもしれません。